アルツハイマー病とその治療
アルツハイマー病とは、記憶障害などの軽度の症状は認めますが日常生活にあまり問題ない状態の軽度認知障害(MIC)や、認知症の原因となる疾患です。
初期症状
記憶障害から始まります。アルツハイマー病では、発症する数10年前から、脳にアミロイドβと呼ばれるタンパク質がたまり、その後リン酸化タウというタンパク質が集まって神経原線維変化という病変が現れます。それらによって脳の神経細胞が障害され認知症の症状を呈します。
治療方法
近年、アミロイドβに対する抗体によって、アミロイドβを除去する治療薬が開発されました。その一つがレカネマブ(レケンビ®点滴静注)です。対象となるのは軽度認知障害の方と軽度の認知症の方で、いくつかの検査を受けていただき、投与の適応があるか確認してから使用されます。
2週間ごとの点滴静注を継続します。一回1時間20分程度です。
これらを使うと18か月間の投与で悪化を27%抑制する効果がありますが、症状を改善することはできません。
その他(注意すべきことなど)
副作用としては、注入に伴う発熱、関節痛や、治療経過中に起こる、アミロイド関連画像異常(ARIA)があります。
アミロイド関連画像異常とは、脳出血や脳浮腫などです。症状が出ないこともあり定期的に頭部MRIを撮影して継続可能か検討します。
また、今までの内服薬などより高価で、多くの方が高額医療制度の上限になります。当院でも投与可能ですので、ご希望の方はご相談ください。
掲載日:2024年12月02日