心房細動と脳梗塞
『EZ DO 検脈！』TRFのDJ KOOがド派手な衣装をまとってテレビを賑わしていますね。心房細動は発症すると心不全や脳梗塞を来す恐い怖い不整脈です。
初期症状
動悸や胸部苦悶感などの症状が現れる方もいますが、半数の方は無自覚であると言われています。最も怖い合併症は心房内で澱んだ血液が固まってできた血栓が、心臓を飛び出して脳血管を詰まらせてしまう脳梗塞です。
治療方法
血栓を薬剤で溶かす「血栓溶解術（発症4.5時間以内）」や腿の付け根からカテーテルを血管内に挿入して脳血管に詰まった血栓を直接取り除く「機械的血栓回収術（概ね8時間以内）」が最善の治療ですが、「Time is brain」と表現されるように発症から治療までに時間制限があることに注意が必要です。
予防方法
加齢現象に加え、心不全、高血圧、糖尿病、喫煙、過度の飲酒などが発症の引き金になります。定期的に健診を受けて心電図のチェックを受けることをお勧めします。またテレビCMのように、ご自分で脈にリズムの乱れが無いかチェックする「検脈」が極めて有効です。ご自分の脈が何処に触れるか分からない方は主治医に相談してください。
その他注意すべきこと
一部のスマートウオッチには心房細動を検知する機能があり医学界でも注目を浴びています。生活習慣病を放置しないように注意しましょう。
脳神経外科 部長
小田 温
掲載日：2024年04月01日