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睡眠時無呼吸症候群

寝ている時にいびきをしている、呼吸が止まっているという指摘を受けたことのある方はいるでしょうか。睡眠時無呼吸症候群は睡眠状態、特にREM睡眠時に気道が閉じてしまう病気です。肥満、加齢、男性がリスクであることが知られていますがアジア人は欧米人より気道が狭くなりやすい骨格をしているので極度の肥満がなくても発症します。

初期症状

夜間睡眠が十分に取れないことから寝不足の原因となることが多いです。夜間寝ているはずなのに眠気が強く疲れがとれない。テレビや映画などをみていると寝てしまうという人もいます。年齢に比して発症頻度が増していき重症化すると高血圧、糖尿病、虚血性心疾患なども合併しやすく予後が悪化しやすいことが知られています。

治療方法

指につけて寝る簡易モニターや1泊2日での脳波や筋運動まで測定するポリソムのグラフィーという検査を実施して睡眠1時間あたりの閉塞性の無呼吸低呼吸数を測定して重症化分類をします。軽症の場合はマウスピース、中等症以降の方は持続的に気道に圧力をかけるCPAPというマスクを睡眠時に使用して気道開通させます。必要に応じて内服を併用することもあります。CPAPが無効または使用できない方は舌下神経電気刺激療法という手術も適応がありますが、最新の治療のため全国でも限られた施設でのみ実施されています。

予防方法

適度な運動や食習慣調整で肥満となることを避けるようにしましょう。横になって寝たり腹這いで寝るといびきが改善する場合などがありますが、根本的な治療にはなりません。

その他注意すべきこと

日中に眠気がある、疲労の取れない睡眠、倦怠感、夜間の中途覚醒、いびきや就寝中の無呼吸が指摘された時は睡眠時無呼吸症候群を疑いましょう。病気を持っている人は日中の眠気の影響もあり運転事故が増える傾向があります。自分や周囲を守るためにも疑うときは検査をお勧めします。

佐渡総合病院
呼吸器内科・医長
高橋 敦宣

掲載日:2024年01月05日