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変形性膝関節症

肥満や加齢などの影響から膝の軟骨がすり減り、膝に強い痛みを生じるようになる病気です。男女比は1:4で女性に多くみられ、高齢者になるほど罹患率は高くなります。加齢、肥満だけでなく骨折、靱帯や半月板損傷などの外傷、化膿性関節炎などの感染の後遺症として発症することがあります。

初期症状

初期では立ち上がり、歩きはじめなど動作の開始時のみに痛みが生じ、休めば改善しますが、正座や階段の昇降が困難となり(中期)、末期になると安静時にも痛みがとれず、変形が目立ち膝がピンと伸びず歩行が困難になります。

治療方法

症状が軽い場合は痛み止めの内服薬や外用薬、膝関節内にヒアルロン酸の注射などをします。大腿四頭筋(ふとももの前の筋肉)強化訓練、関節可動域改善訓練などの運動器リハビリテーションや、膝を温めたりする物理療法も行います。足底板や膝装具を作成することもあります。
このような治療でも治らない場合は手術治療も検討します。手術には関節鏡(内視鏡)手術、高位脛骨骨切り術(骨を切って変形を矯正する)、人工膝関節置換術などがあります。

予防方法

膝関節の負荷を軽減する目的で大腿四頭筋訓練などを行います。また肥満は本症の発生や症状増悪の大きな因子であり、肥満を伴う症例では食事指導、運動療法なども行います。

あがの市民病院
整形外科部長
藤井 俊英

掲載日:2023年06月30日