慢性腎臓病(CKD)
腎臓は
①血液中の余分な毒素や水分を尿として体の外に排泄する。
②体内のバランス(塩分などのミネラル、酸・アルカリなどの体液の濃度)を一定に保つ。
③血液を作る、骨を強くする、血圧を調節する。
など様々なホルモンを出す働きがあり、「肝腎かなめ」という言葉にあるように、とても重要な臓器です。
腎臓病が進行すると、むくみや食欲不振、心不全などの症状がおこりますが、初期の段階では自覚症状が少ないため、検診による早期発見、早期治療が大切です。
慢性腎臓病(CKD)とは
さまざまな原因で腎臓の働きが少しずつ悪くなっていく病気を、慢性腎臓病(CKD)と呼び、日本では成人の8人に1人がその疑いがあると言われています。
腎臓そのものの病気で悪くなる場合(慢性糸球体腎炎など)と、糖尿病や高血圧が原因となる場合があります。
CKDを予防することは、心臓病や脳卒中の予防にもつながります。
診断について
検尿(尿蛋白や血尿)、血液検査(腎機能:クレアチニン、尿素窒素、ミネラル、カリウムなど)、画像検査(エコーやCT)などがあります。さらに、腎炎の種類や病気の程度の診断のため、腎臓の組織を調べる腎生検という検査も有用です。
予防方法
CKDの原因となる高血圧や糖尿病の治療をしっかり受けることで、発症や進行を遅らせることができます。
治療方法
- 食事療法:タンパク質や塩分制限と、十分なカロリーの摂取が大切です。
- 薬物療法:病気を抑える(血圧や糖尿の薬)、合併症を改善する(高脂血症の薬や造血ホルモンなど)薬剤があります。また、ステロイドというホルモンは慢性腎炎症候群による尿蛋白を減少させるため有効です。
- 腎機能が低下した場合、血液透析、腹膜透析、腎移植などの治療があります。
その他注意すべきこと
腎臓は大切な役割を持つ臓器である反面、病気が進行するまで症状が出にくいため、“沈黙の臓器”とも言われています。定期的な検診で早期発見をし、CKDと診断されたら定期的に通院し、腎機能や画像の検査と適切な治療を続けることが大切です。
掲載日:2023年05月01日