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スギ花粉症

スギ花粉の飛散期となりました。読者の皆様に鼻水、くしゃみ、鼻閉、目の痒みなどの症状は出ていませんか?アレルギー専門医の立場から、成人~小児まで含めて解説します!

初期症状

症状については基本的には成人と小児で同様です。鼻水、くしゃみ、鼻閉、目の痒みなどです。あえて言うなら小児は鼻腔内が狭いので、鼻閉による不快感を強く訴える傾向があります。ただそれも主観によるところが大きいので、一概には言い切れません。

治療方法

花粉症の対策は何よりも抗原となる花粉を回避することです。マスクやメガネの使用が該当します。小児の場合は必ずしも推奨とは言えませんが、一般的にはこれが基本になります。
次に内服や点鼻、点眼薬などの薬物療法です。鼻症状(アレルギー性鼻炎)に対しては、第1選択として抗ヒスタミン薬の内服を行い、効果不十分であれば、ステロイド点鼻薬を追加します。実は点鼻の方が抗ヒスタミン薬の内服より効果が高く、海外では点鼻から開始することも多いです。眼症状(アレルギー性結膜炎)に対しては抗ヒスタミン薬点眼治療が中心になります。点鼻や点眼は頓用使用ではなく、あくまで用法通り連日使用するものですので、医師の指示があるまでは自己判断で中止しないようにしましょう。

予防方法

スギ花粉の反応への介入方法もあります。舌下免疫療法といって、舌の下に錠剤を1分間置いてから飲み込むという治療方法です。舌下免疫療法はアレルギー性鼻炎や気管支喘息において推奨されています。注意点は、最低3年間は毎日服薬が必要なこと、月に1度は通院が必要なこと、そして軽微なものを含めて初期には約半数で副作用が出ることです。アレルギー体質が強い方ほど副作用も強く出るので、場合によっては喘息発作などにつながるリスクもあります。ですから舌下免疫療法は、喘息の合併や疑いがある方の場合、継続の中止リスクを減らすため、成人は呼吸器内科、小児は小児科で開始するようにしてください。

その他(注意すべきことなど)

花粉症を気にするあまり外出に積極的になれない方もいるかもしれません。しかし、日光照射によって体内で生成されるビタミンDは、健康的な成長・生活に欠かせないものです。しっかりと対策をして、健康的な生活を送りましょう。

柏崎総合医療センター
小児科 医長
村井 英四郎

掲載日:2025年03月03日