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過活動膀胱

師走の候、次第に寒さが厳しくなってきます。
今回は、この時期に増える頻尿の原因の一つである、過活動膀胱についてお話し致します。

初期症状

「急に起こる我慢出来ないような強い尿意」を尿意切迫感と呼び、この尿意切迫感を伴う頻尿が過活動膀胱です。排尿回数は問いませんが、尿漏れがある場合と無い場合とがあり、ご自身が実生活に困っているか否かが大きなポイントです。とても困る場合には病気と捉えて薬物治療を行います。しかし、そんなには困らない(実生活上の折り合いがついている)場合、薬物治療は必須ではありません。まずは生活習慣を整え、薬に頼らない方法でセルフ治療をしてみましょう。

治療方法

①骨盤底筋体操をしましょう。おしっこやおならを我慢するようにして陰部の前と後ろの筋肉をぎゅ~っと締めあげるリハビリ体操です。いろいろなやり方がありますが、根気よく毎日継続することが一番重要です。

②冷えからくる急な膀胱の不調は、「手先」「足先」「口の中」「お臍の周りや腰」からきます。手袋や厚手の靴下、冷たい飲み物は避ける、腹巻などが有効ですが、下半身の筋肉をよく動かすようにしてみて下さい。ホッカイロやストーブで温めるよりも、足指や足首、膝をよく動かし、血流を高めて温めることが大切です。また、立ったり座ったり、つま先立ちや背伸び、スクワットやストレッチは、下半身全体の血流を改善し、頻尿を和らげてくれます。

③塩分・香辛料・カフェイン・アルコールの摂りすぎには気を付けましょう。

その他注意すべきこと

セルフ治療と言っても決して難しいことではありません。しかも、これらはむくみの改善にもつながります。ぜひ、この冬に試してみて下さい。
最後になりますが、「下腹部や陰部に痛みを伴う」「排尿の前後に強い痛みを感じる」「血尿(見た目に赤いおしっこ)を伴う」「急に出現した頻尿で発熱を伴う」場合にはかかりつけ医あるいは泌尿器科医の診察を受けるようお勧め致します。

村上総合病院
泌尿器科 部長
安藤 嵩

掲載日:2023年12月01日