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気象病

気象病は、近年認知されつつある病名で、気象や天気が変化すると症状が出たり、悪化したりする病気のことをいいます。雨が降りそうになると頭痛がする、梅雨時期になると決まって古傷が痛むなどがこれに該当します。原因は気圧や気温、湿度などの急激な変化に体が対応しきれないことだと考えられています。具体的には、内耳など気圧を感じるセンサーによって自律神経系のバランスがみだれ、それがストレス刺激となってさまざまな症状が出ます。乗り物酔いをしやすい人、体力が少ない人、空調に過度に頼っている人などは気象病の症状が出やすいので予防方法をあらかじめ確認しておくとよいでしょう。

どのように予防すればいいですか??

自律神経のバランスを整えることが重要です。具体的には、栄養バランスの良い食事を摂ること、適度な運動をすること、睡眠のリズムを一定にすること、太陽の光を浴びること、入浴して体を温めるなどです。また気温、湿度、気圧の変化を確認し、変化が大きいときは予防でめまいの薬を服用するといいでしょう。

初期症状はどのようなものがありますか?

自律神経のバランスがみだれることで、頭痛、めまい、吐き気、肩こり、動悸、関節痛、倦怠感、意欲低下などさまざまな症状が出ます。うつ病の症状と似ているため、その治療を勧められることもあります。

治療方法はどのようなものがありますか?

まずは自律神経のバランスを整えるため、規則正しい生活を送ることです。そのための生活指導、運動指導がメインになります。それでも症状が改善しないときに、めまいの薬やビタミン剤、漢方薬など症状に合わせて薬物療法を行います。

その他注意することはありますか?

乗り物酔いをしやすい、運動の習慣がない、夜型生活、偏った食事、ストレートネックなどの方は気象病になりやすい。意識して規則正しい生活を送ることで、あらかじめ予防していくとよいでしょう。

気象病は、気象や天気が変化することで自律神経のバランスがみだれ、めまいや頭痛などさまざまな症状を引き起こします。予防と治療には自律神経を整えることが重要で、そのためには規則正しい生活を送ることです。食事・運動・睡眠リズムがみだれている方は、これらを整えることから始めるとよいでしょう。また空調に過度に頼らず気温変化に身体を慣れさせることや、ストレッチ、ヨガが予防となることもあります。症状で気になる方は一度耳鼻科に受診し相談しましょう。

長岡中央綜合病院
健診センター 保健師
清水 左和子

掲載日:2019年05月24日