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ノロウイルス

ノロウイルスは、11月~1月の主に冬季に流行する感染性腸炎の原因となるウイルスです。ノロウイルスには遺伝子の型が多数存在するため、同じ人が複数の違った型のウイルスに感染することがあります。そのため一度罹ったからといっても再び感染を起こすことがあります。

「ノロウイルス」の症状

ノロウイルスに感染すると、1~2日で発症します。症状としては嘔気、嘔吐、下痢、腹痛などがあります。免疫力の低下した高齢者や乳幼児は症状が長引く事があり、激しい嘔吐や下痢による脱水症状に気を付ける必要があります。

感染経路

  1. 調理などの食品を扱う人が感染していて、その人が扱った食品を摂取した場合。
  2. ウイルスに汚染された貝類(特に二枚貝)を、生や十分に加熱しない状態で摂取した場合。
  3. ウイルスが大量に含まれる便や嘔吐物を素手で触れたり、感染した人が触れたところを知らずに別の人が触れて感染した場合。
  4. ウイルスに汚染された井戸水や簡易水道の消毒が不十分な状態で摂取した場合が挙げられます。

治療

ノロウイルスに対する予防ワクチンがなく治療薬もないため、吐き気止めと整腸剤で症状をやわらげる治療が基本です。

予防

  1. ノロウイルスは、アルコール消毒が効きにくいため、食事の前やトイレ後は、石鹸を使用して手を洗いましょう。
  2. 排泄物・嘔吐物を片づける時にうつる可能性(二次感染)があるため注意が必要です。便や嘔吐物の処理をする時は、素手ではなく必ずビニール手袋を使用しましょう。汚物の消毒は、塩素系消毒剤(漂白剤)を薄めたものを使用しましょう。
  3. ノロウイルスは様々な形で感染を広げるため、便や嘔吐物を乾燥させないように適切に処理をしましょう。(ウイルスは乾燥すると空気中に漂うため、ウイルスを吸って感染する事があります。)
  4. 食品中のウイルスは、食品の中心温度が85℃で1分以上になるようにしっかりと熱を通して食べるようにしましょう。
  5. 下痢や嘔吐等の症状がある人は、食品を直接取り扱う作業をしないようにしましょう。

注意すること

自分が感染を広げないように石鹸と流水による手洗いを適切なタイミングで実施しましょう。

上越総合病院
感染管理認定看護師
村田 忍

掲載日:2019年11月20日